投資を判断する指標とは

投資を判断する指標とは、何でしょうか。
企業も、私たちも投資をします。
動機は様々かもしれませんが、より大きな利益をあげるためという理由が大きく当てはまるでしょう。

ENEOSが注力領域への戦略投資に向けた資金調達を実施しようとしています。

ENEOSホールディングスは3000億円の劣後特約付き社債(ハイブリッド債)の発行を決めた。脱炭素の流れで石油事業の成長が難しいなか、水素や再生可能エネルギー、素材事業といった注力領域への戦略投資などに使う。借入金の返済にも充てる。

2021/06/05  日本経済新聞より引用

ENEOSは2023年3月期までの3年間で8600億円の戦略投資を計画しています。5月にも自動車タイヤ用の合成ゴムなどを含むエラストマー事業を買収する予定で、今後の動向に期待できます。

エネルギー白書2021内でも、日本は蓄電池の本体や原材料の調達力が他国より劣っていると指摘されています。世界的にもエコで持続可能なエネルギーの供給がテーマになってくるでしょう。

エネルギー白書2021の概要はこちらから
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/whitepaper2021.pdf

投資を判断する正味現在価値(NPV)

投資を判断する指標は複数ありますが、時間価値を考慮する方法考慮しない方法に大きく分けられます。
今回は時間価値を考慮する方法として代表的な正味現在価値法(NPV)についてご紹介します。
※内部収益率法(IRR)や収益性指数法(PI)は別の機会でお伝えしたいと思います。

正味現在価値法(NPV)とは、設備投資によって①将来得られるキャッシュフローをすべて現在価値に割り引き、②その現在価値を合計し、③その合計額から、初期投資額を差し引き、その値(正味現在価値)がプラスであるときは、その投資を採用するという投資評価基準となっています。

複数の投資案がある際は、値がプラスで最も大きな正味現在価値の投資案が採用されます。
投資に携わったことがあるなら、耳にしたことがある指標かもしれません。

計算式で表すと以下の様になります。

計算式だと分かりづらいと思うので、図で表現してみたいと思います。
初期投資額が100万円で、1期末に30万円、2期末に40万円、3期末に50万円のキャッシュを生み出す投資案です。(資本コストは3%)

それぞれの色グラフが左に積み上がる際に、現在価値に修正されているのが分かると思います。
正味現在価値(NPV)では初期投資の段階で、NPVがプラスマイナスかで投資を判断します。

今日から使える資料ポイント

最後に、今日から使える資料ポイントです。
少しでも見やすいグラフを作るために「ノイズ」を削りましょう。
目盛線や色使いを工夫することで直感的な理解を助けることになります。

実際にはエクセルなどで機械的に計算することが可能ですが、
概念を理解しておくことで、投資判断に意味を持たせることができます。
それでは、本日もよい一日を!

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA