工場の自動化と各ステップ

ソニーがTV工場の自動化を図り、コスト7割減を目指すという記事が取り上げられています。
世界的には中国や台湾を台頭としたより安価で効率的な受託製造サービス(EMS)が流行る中で、ソニーは一部内製を続けます。一般的には内作のメリットとして、ノウハウの蓄積情報流失の防止という観点が挙げられますが、生産マネジメントという点でも、スピード感を持った体制構築の効果が期待できそうです。

ソニーグループはテレビ事業の主力拠点のマレーシアで工場を大幅に自動化する。製品の設計から生産まで一体で進める事業体制の競争力強化を狙い、2023年度をめどに生産コストを18年度比7割減らす。韓国・中国勢の躍進で日本勢が地盤沈下するなか、同社は19年時点で世界シェア5位に踏みとどまっている。生産革新で事業基盤を強固にする。

2021/05/28  日本経済新聞 朝刊より引用

生産システムの発展

無人の工場で機械だけが生産し続ける近未来な状態をイメージして「自社の工場を自動化してみたい」と思われる方も多いとは思いますが、いきなり自動化を始めようとしてもなかなか上手くいきません。

自動化を実現するには要素を理解するとともに、ステップを意識した推進が必要です。
下記に生産システムの要素を解説とともに一部ご紹介します。

◆NC工作機械
 NCとは数値制御のことで、工作物に対する工具経路、加工に必要な作業の工程などを、それに対応する数値情報で指令する制御のことです。その工作機械をNC工作機械といいます。

◆MC(マシニングセンタ)
 加工情報に応じて必要な工具を選び、多数の異なる種類の作業を自動的に行う、数値制御多機能工作機のことです。通常20〜70の工具を装備し、自動的に必要な工具に交換する機能を持ちます。

◆FMC
 NC工作機械やロボットなど個々の工程・作業を行う機械を組み合わせたものです。工程のひとまとまりとカバーするものだとお考えください。

◆FMS
 設備をコンピュータで統括的に制御・管理することでより柔軟性をもたせた生産システムです。

◆FA
 FMSはあくまで生産のためのシステムですが、これに資材調達や設計データの管理を受け渡して、工場で発生する間接業務までも対象にした自動化、システム化のことです。

◆CIM
 生産にかかわるあらゆる活動をコントロールするための情報をネットワークで結び、組織間で情報共有して利用するための一元化されたデータベースです。FAが工場レベルだとすると、CIMは企業レベルでの業務です。

これらの要素をステップにすると下のイメージ図となります。

段階的に自動化を推進することで、自社がどこでつまづいているのか、何から取り組んでいけばいいのか、整理され、課題が明らかになります。

今日から使える資料ポイント

最後に今日から使える資料ポイントです。
今回は「ステップ」を意識した、段階的な流れを表現しております。
段差をつけることで順番を意識し、文字色も濃淡をつけることで見やすくしてみましょう。

子どもの頃から、工場見学が楽しみでした。
SFの様な無人工場の世界がそこまで来ているのでしょうか。
それでは本日も、よい一日を!

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